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茅ヶ崎市楽友協会会長の言葉


President of Philharmonic Society of Chigasaki City

 音楽の鑑賞には会場の音響特性が大きく影響しますから、茅ケ崎市民文化会館大ホールが、本邦でもトップ・レベルの素晴らしい音響効果を持って誕生したことは、地元の音楽ファンにとって、正に夢の様な幸運でした。
 1980年秋の開館直後に、ホールの美しい響きにすっかり魅せられて、営利を目的としないクラシック音楽鑑賞グループ:茅ケ崎市楽友協会が、会館の外郭団体として発足し、音楽文化水準の向上を願いながら、茅ヶ崎市文化振興財団との密接な協力体制のもとに、平坦とは言い難い道を歩んできました。
 多くの世界的演奏家が来演しましたが、快いホールの響きに満足し、心の通い合う聴衆の温かく、的確な反応を絶賛して、上機嫌で帰って行きました。

 今ではすっかり茅ケ崎のファンになり、次回の演奏を“たのしみ”にしている演奏家が何人もあるほどです。家族的とも言える茅ケ崎独自の温かい雰囲気を持つコンサートは、全国でもユニークなものになりました。 
このコンサートと共に育ってきた若い人たちを見たり、自分の過去を想う時、「十代に“ほんもの”に触れる体験を持つ事が、その芸術に親しみ、真の心の糧になるに至るまで理解を深めて行く過程で、どれだけ重要な意味のあるものか」に気付き、その“大切さ”が、私などの想像を絶する程であることに、改めて驚いています。

 “本物の音楽”とは、特殊なのものに見られがちなクラシック音楽の世界に限られるわけではありません。心から心へと直接伝わる音楽こそが“本物”なのですから。優れた演奏を聴いて、思わず涙ぐむような感動を、親子で共に味わう幸せは、世に言う“親子間の溝”を埋める力にも成り得るでしょう。

 機械文明が進み、とかくギクシャクした世の中で、精神的疲労が過度になりがちな今日、浮き世を忘れて妙なる音楽の小宇宙に身を任せる“ひととき”は、単に慰めと休息を得るだけでなく、翌日への活力と生きることへの意欲を養うチャンスにもなると思います。

 国境を越え、世代を超越して、音楽の心は波のように伝わって行きます。半世紀余りの年月を音楽と共に生き、音楽にすがって生きてきた私は、この“至上の幸福”を、しかも手近にある“音楽という宝庫を開くよろこび”を、少しでも多くの方々と分かち合いたいと心から思います。どうか 今までは聴く機会にあまり恵まれなかった方も、面倒な理屈抜きで“ナマ演奏のステキな世界”に浸ってみて戴きたいのです。

茅ヶ崎市楽友協会会長 塚原康男